【歴史が苦手な子のために】「流れ」で覚える歴史の勉強法とは?
「うちの子、歴史だけは全然覚えられないんです……」
そんな声を、これまでに何度も耳にしてきました。
英語や数学には取り組むのに、歴史となると急に手が止まる。
テスト前に詰め込んだはずなのに、点が伸びない——
その理由はただ一つ。
年号や単語を“バラバラ”に覚えようとしているからです。
歴史とは、そもそも「物語」です。
登場人物がいて、出来事が連なり、社会が変化していくドラマの連続。
つまり、“流れ”として理解しなければ、記憶に残りにくいのです。
今回は、歴史が苦手なお子さまでも「流れで覚える」ことで得点できるようになる、
“イメージ記憶”を活用した歴史学習法についてお伝えしていきます。
■ なぜ歴史は「流れ」で覚えないとダメなのか?
歴史を年号の暗記や用語の丸覚えとして学んでいる子どもは多いですが、
これではまるで辞書を暗記しているようなもので、すぐに忘れてしまいます。
一方で、前後のつながりを理解している子は、応用問題にも強く、記述にも対応できます。
たとえば…
- 鎌倉幕府がなぜ誕生したのか?
- なぜ室町幕府の将軍はあまり力がなかったのか?
- 明治維新は何と戦い、何を得たのか?
これらの疑問に答えられる子は、単なる用語の暗記ではなく、
背景や因果関係をイメージできているのです。
■ 歴史の“流れ”をつかむ3ステップ
STEP1:時代ごとの「テーマ」を押さえる
まずは、各時代における「時代の流れ」を一言でまとめておきましょう。
例:
- 鎌倉時代:武士が政治を動かし始めた時代
- 室町時代:地方が力を持ち始め、まとまりが崩れていった時代
- 江戸時代:平和が続き、庶民文化が花開いた時代
- 明治時代:日本が近代国家へと急激に変化した時代
このように、「一言キャッチコピー」で時代の特徴を把握するだけでも、流れが見えてきます。
STEP2:重要人物を“キャラ”として覚える
歴史上の人物を“キャラクター”として捉えると、一気に物語性が出てきます。
たとえば…
- 織田信長:合理主義でスピード重視、破壊と革新の男
- 豊臣秀吉:人たらしの天才、下克上を体現した出世頭
- 徳川家康:我慢強さと慎重さで天下を取った長期戦の勝者
このように、人間性や性格と結びつけて理解することで、
単なる“名前”が“物語の登場人物”に変わり、記憶に残りやすくなります。
STEP3:「前→原因」「後→結果」でつなげる
歴史は“点”ではなく、“線”で覚える必要があります。
そのためには、出来事と出来事を「なぜ」「だから」でつなげる訓練が有効です。
たとえば…
- 鎌倉幕府が成立した → 平家政権への不満が爆発し、源頼朝が支持を集めた
- 江戸幕府が開かれた → 関ヶ原の戦いで勝利し、家康が武家社会を安定させた
- 明治維新が起きた → 欧米列強の圧力で、幕府の体制が限界に達した
「Aが起きたからBが起きた」というストーリー構造で捉えることで、
テストで「なぜ〇〇が起きたのか?」という問いにも強くなります。
■ 家庭でできるサポート:親子で「ストーリー会話」を
中学生・高校生が自力で“流れ”を整理するのは難しい場合もあります。
そんなときは、親御さんの声かけが大きな助けになります。
例えばこうです:
「幕府って何度もできてるけど、なんで何度も崩れるのかな?」
「信長って、今の社長に例えるとどんなタイプだと思う?」
このような問いかけを通じて、歴史を“自分の言葉”で語る習慣がついていきます。
実際、歴史が得意な子は、歴史を話すのがうまいのです。
口に出すことで知識が整理され、記憶にも定着しやすくなります。
■ まとめ:歴史は“覚えるもの”ではなく“つなげるもの”
お子さまが「歴史は苦手」と感じる原因の多くは、
バラバラに覚えようとしていることにあります。
その状態を乗り越える鍵は、
“流れ”と“物語”の視点で学ぶこと。
- 「時代のテーマをおさえる」
- 「人物をキャラでイメージする」
- 「因果関係でストーリー化する」
この3ステップを意識するだけで、
お子さまの歴史に対する見方は大きく変わっていくはずです。
そして何より、「歴史っておもしろい」と感じられるようになれば、
テストの点数以上に、自学自習の力が育ちます。
家庭でのちょっとした声かけが、その第一歩になります。