「理解しているのに解けない」中学生に共通する原因とその解決法-中学生の学習法シリーズ②
「授業ではわかっているはずなのに、テストになると間違える…」
中学生の保護者の方から、非常によく聞くお悩みです。本人も「授業のときはわかっていたのに」と悔しそうに言う。でも実際には点数に結びつかない。こうした現象には、決して本人の能力の問題ではない“学習の落とし穴”が潜んでいます。
今回は、学習塾の現場で多数の生徒を見てきた経験から、「理解したのに解けない現象」の正体と、その具体的な解決策について詳しく解説していきます。
1. 「わかる」と「できる」は別物
まず最初に知っておいていただきたいのは、
理解(わかる) ≠ 解答力(できる)
という事実です。
授業中に「なるほど」と思った瞬間は、あくまで**“その場で説明を受けて理解できた”**状態です。しかし、これだけでは「自力で解ける力」にはなりません。問題を前にしたときに、自分の頭の中から知識を引き出し、正しく使う訓練が不足していると、理解していても解けなくなるのです。
これは特に数学や理科で顕著です。「公式は覚えた、使い方も聞いてわかった。でもいざ問題になると使いこなせない…」という状態です。
2. インプット偏重が“できない”を生む
多くの中学生は、インプット学習(読む・聞く・ノート写し)には取り組んでいます。しかし、成績を安定させるには、アウトプット学習(自分の頭で考え、問題を解く)の比率が圧倒的に重要です。
私たちの塾では「授業1:演習3」を基本に指導しています。
授業で理解したら、その3倍の時間を使って
- 問題を解く
- 間違い直しをする
- 解き直す
このサイクルを積み重ねることが、「わかる」を「できる」に変えていきます。
3. 「理解したのに解けない」子に共通する3つの盲点
① 問題パターンの整理ができていない
一度解いた問題を「ただの演習」と捉えて終わっている子が多いです。大切なのは「この問題はどの型か」「どの公式を使うべきだったか」を分類整理すること。知識の“引き出し”を整理しておかないと、テスト本番で引き出せません。
② 間違い直しが甘い
間違えた問題の原因分析が曖昧です。「ミスした」で終わらせず、「なぜミスしたか」「次はどう防ぐか」まで掘り下げる必要があります。ここに塾のコーチングの力が発揮されます。
③ 直前詰め込み学習の弊害
テスト前だけ一気に暗記する詰め込み学習では、「その場の理解」はしても、記憶の安定性が極めて低くなります。やはり“定着”のためには、定期的な反復復習が不可欠です。
4. 保護者ができるサポート
保護者の方にもできる効果的なサポートがあります。
- 学習内容ではなく「勉強のやり方」の話をする
- 「今日はどんな問題で悩んだ?」と具体を聞く
- 「間違えた問題をノートにまとめた?」と確認する
- 小テスト役として10分だけ問題を出してあげる
勉強内容そのものを教えようとするのではなく、学習習慣と復習サイクルを整える支援がとても有効です。
5. 当塾で行っている「できる化」指導
当塾では、この「わかるのに解けない」を徹底的に潰すために、以下の仕組みを用意しています。
- 毎回の授業後に必ず演習→即フィードバック
- 間違えた問題は個別の「ミス分析シート」に記録
- 1週間後に「解き直しタイム」で再演習
- 毎週、学習状況を講師が分析して次週計画に反映
このサイクルを続けることで、ただ“理解する”だけの学習から、“自力で解ける”学習へと確実に移行させています。
まとめ
「わかったのにできなかった…」と悔しそうに帰ってくるお子さんに、保護者としてできる一番の支援は、正しい学習プロセスに導いてあげることです。
理解と定着には時間差があります。そこに正しいアウトプットの設計を加えれば、どの子も必ず「できる」に変わっていきます。
もし今、お子さまの成績に伸び悩みを感じているなら、その原因は学力ではなく「学び方の設計」にあるかもしれません。
私たちは、お子さま一人ひとりに最適な学習プロセスを提案し、着実に“できる”を積み上げていきます。ぜひ一度、ご相談ください。