英語長文が読めない子に共通する“読み方の間違い”とは?
「単語は覚えているのに、長文になるとサッパリ…」
「文を最後まで読む前に、頭が真っ白になる」
中学生や高校生が英語長文に苦手意識を抱くのは、決して珍しいことではありません。
でも実は、英語の長文が読めない子どもたちにはある共通点があります。それは、「英語という言語の特性を無視した読み方」をしてしまっていることです。
今回は、英語長文が読めない原因と、読み方の“思い違い”を正す方法について、保護者の方にもわかりやすくお伝えします。この記事を読めば、お子さんの英語力の底上げに、きっと役立つはずです。
■ 英語長文が読めない子の共通点①:「返り読み」のクセが抜けない
英語が読めない多くの子がしているのが、「返り読み」です。これは、日本語の語順に合わせて英文を後ろから訳そうとする読み方のこと。
📌 返り読みが招く問題点:
- 文構造を見失いやすい
- 頭から文を理解できないため、文脈がつながらない
- 時間がかかり、模試や試験で最後まで読み切れない
🔍 たとえばこんな英文:
My father, who is a doctor, always encourages me to follow my dreams.
返り読みをする子は、「夢を追えといつも励ます/医者である/父は…」というように、日本語に変換しながら“逆再生”しようとします。
しかしこれは、英語の「主語 → 動詞 → 補足説明」という順序と根本的にズレているため、読解スピードと理解度の両方を下げる原因になります。
■ 英語長文が読めない子の共通点②:「全訳しよう」としてしまう
多くの中学生・高校生が、「すべての単語・文を日本語にしないとダメ」と思い込んでいます。これが、長文読解での大きな落とし穴になります。
なぜ“全訳”は非効率なのか?
- 時間がかかりすぎて集中が切れる
- 要点を見失い、情報の重みづけができなくなる
- 1語1訳の思考から抜け出せない
英語長文では、「要点を押さえながら“ざっくり理解”していく姿勢」が必要です。すべての情報を処理しようとするのではなく、「どこが重要か」を見極める力=スキミング(速読)とスキャニング(検索読)を鍛えることが効果的です。
■ 英語長文が読めない子の共通点③:「文構造を見ないで読んでいる」
英文は論理的に組み立てられています。
とくに高校入試や模試に出てくる英文は、主語(S)+動詞(V)+目的語(O)/補語(C)の構造が明確です。
しかし読めない子は、文構造をとらえず、単語だけを頼りに“勘で読む”傾向があります。
対策:
- 一文ごとに「主語と動詞」を見つける練習からスタート
- 意味のかたまり(チャンク)で読むトレーニングを取り入れる
- 熟語や接続詞の役割を理解しておくと論理がつかみやすくなる
文構造の意識があるだけで、英文の“見え方”はまるで変わります。
■ 英語長文を得意にするための家庭でのサポート法
英語長文は一朝一夕で克服できるものではありませんが、保護者としてできるサポートもあります。
✅ ポイント1:定期的に音読を促す
返り読みのクセを改善するには、「前から読み、意味をつかむ」訓練が不可欠。音読は、語順通りに意味をとる力を育てるのに最適です。
✅ ポイント2:1段落ずつ、要点を言葉にする練習を
「この段落、何の話だった?」と尋ねることで、読解の“要点抽出”の力が養われます。これは、記述問題対策にも有効です。
✅ ポイント3:語彙力は「例文ごと」で増やす
単語だけを覚えるのではなく、その単語を使った文で覚えることで、文の流れに強くなります。市販の英語教材やアプリでも、例文つきのものを選ぶと効果的です。
■ まとめ:読み方を変えれば、理解は飛躍的に変わる
英語長文が苦手な子の多くは、「英語のルール」に合っていない読み方をしてしまっています。しかし、その“読み方のクセ”に気づき、正せば、劇的に読めるようになるのです。
「うちの子は英語に向いていないかも…」と思う前に、読み方のチェックをしてみてください。そして、小さな改善から始めてみてください。
読解力は、“正しい方向での努力”がすべてです。お子さんの英語嫌いが、いつの間にか得意科目へと変わる日も、きっとそう遠くはありません。