英単語が覚えられない中学生に試してほしい“記憶術3選”
「何度書いても英単語が覚えられない」「一晩経つと、すっかり忘れている」——
そんな悩みを抱える中学生は少なくありません。そして、そばで見守るお母さま方もまた、「うちの子、記憶力が悪いのかしら?」と不安になることもあるでしょう。
けれど、安心してください。記憶力の差ではなく、**記憶法の“選び方”と“使い方”**に問題があることがほとんどです。
この記事では、英単語の暗記が苦手な中学生でも、すぐに実践できる記憶術を3つご紹介します。脳の仕組みに沿った記憶法を取り入れることで、「忘れる」のではなく、「思い出せる」勉強へと変えていきましょう。
■ 記憶術①:「関連づけ」で脳のフックを作る
英単語を“ただの文字列”として覚えようとすると、脳にはなかなか残りません。そこで有効なのが、意味や語源、イメージと関連づけて記憶する方法です。
例)"important"(重要な)
→ 「im(否定)+port(持つ)+ant(形容詞語尾)」→ 持たなきゃマズい → 重要!
→ あるいは、「インポート(import)商品は重要!」と語感で覚える
子ども自身が自分なりの“こじつけ”や連想を作ると、記憶がぐっと定着しやすくなります。これは脳の「意味記憶ネットワーク」に基づいた記憶術で、学習効率が高いことが実証されています。
🔸保護者の工夫ポイント:
- 意味と語源を一緒に調べる習慣をつける
- 語呂合わせやイラストを一緒に考えてみる
- 「今日の変な覚え方」を親子でシェアすると楽しめます
■ 記憶術②:「分散学習」で脳に“再会”させる
一夜漬けや1時間の一気暗記では、記憶は短期的なものに留まりがちです。記憶の定着には、**「時間をあけて繰り返す=分散学習」**が極めて効果的です。
例)1日に20語を覚えるとき:
- 朝に10語 → 昼に5語復習 → 夜にもう一度全20語をチェック
- 翌日にまた全体を確認 → 3日後にも再チェック
このように、「忘れかけた頃」に再び記憶を呼び起こすことが、長期記憶のカギになります。
🔸保護者の工夫ポイント:
- 復習のタイミングを一緒に決めて“仕組み化”する
- 予定表や学習アプリ(Studyplusなど)を活用して習慣化する
- 「お母さんテスト」を毎晩3問だけ出すのも効果的です
■ 記憶術③:「アウトプット」で記憶を“思い出す訓練”にする
記憶の定着には「インプット」だけでなく、「アウトプット(思い出す)」が必要不可欠です。これは**「想起練習(リコール)」**と呼ばれ、最も効果的な暗記法の一つとされています。
具体的な方法:
- 英単語を隠して日本語訳から答える(和→英)
- クイズ形式で「意味 → 英単語 → 例文」などを口頭で答える
- 誰かに教えるつもりで説明する(「ティーチング法」)
「思い出す」過程そのものが、脳にとって強烈な“記憶の補強作業”になるのです。
🔸保護者の工夫ポイント:
- 単語帳のテスト役をする(10問だけでもOK)
- スマホで録音して「自分で聞く英単語テスト」を作る
- 家庭内で“クイズタイム”を設けてゲーム感覚で楽しむ
■ 忘れるのは当たり前。だからこそ、“覚え方”を工夫する
人間の脳は、そもそも“忘れる”ようにできています。だからこそ、**「どう覚えるか」「どう繰り返すか」**が学力の差につながるのです。
英単語が覚えられないと悩む中学生にとって大切なのは、才能ではなく**“戦略”と“仕組み”**です。そして、その仕組みを親子で共有しながら進めることが、子どもにとって大きな支えとなります。
■ まとめ:記憶法は“工夫の勝負”
英単語を覚えるのが苦手な子は、やみくもに書き続けたり、ただ眺めて覚えようとしてしまいがちです。しかし、脳に合った“記憶の仕組み”を知るだけで、その努力は何倍にも実るようになります。
お母さまのちょっとしたサポートが、子どもにとっては「わかってくれている」という安心感になり、学習意欲の原動力にもなります。
まずは、今日から一つでも構いません。
「この覚え方、ちょっと面白そう」と思える方法を、ぜひ親子で試してみてください。