「記憶力を高めたければ歩きなさい」という話:運動と脳②
この記事は「集中力を鍛えたければ運動をしろ」という話:運動と脳①の続きです。
前回記事では集中力を上げる運動について紹介しましたが、今回は記憶力を高める運動についてご紹介します。
海馬が大きくなることがわかった研究
海馬とは、記憶を司る重要な脳の部位の一つです。
一般的には、脳の大きさは25歳をピークに毎年0.5%~1%ずつ小さくなっていきます。そして記憶に関わる海馬と呼ばれる部分も、同じく25歳以降は1年で約1%ずつ小さくなっていきます。これにより記憶力が徐々に低下していくというわけです。
加えて、「海馬の縮小を食い止める、あるいは逆転させることは不可能」というのが定説でした。
しかし、この定説をくつがえす研究が出てきたのです。それによると、運動によって海馬は縮小するどころか(25歳以上でも)むしろ大きくなることが判明しました。
研究内容
・アメリカで120名の被験者を対象に、1年間隔で2回、脳のスキャンを行った
・研究開始前に、120名は次の2つのグループに分けられた
グループ①:心拍数の上がらないストレッチなどをするグループ
グループ②:心拍数の上がる持久系トレーニングをするグループ
・実験結果
グループ①:海馬が1.4%縮んでいた
※海馬は毎年1%縮小するためこれは自然なこと
グループ②:逆に海馬は2%大きくなっていた!
このような結果となった理由は、脳の肥料とされるBDNFという物質が、運動により脳内に生成されたためです。
ところで、海馬の拡大につながったグループ②の運動とはどのようなものだったのでしょうか?
なんとグループ②が行っていた運動とは、週3回40分間の早足をするだけだったとのことです!
ランニングや水泳の様な、きつい有酸素運動を行ったわけではありません。
週3回の早足ウォーキングをするだけで、記憶力が上がるというのは嬉しい知らせですよね。
単語の暗記に効果が出るまでの期間
では、記憶力アップの効果が出るまでにはどれくらいの期間が必要なのでしょうか。
実験によると、
持久力系のトレーニングを定期的に3か月続けることで、単語の暗記力がかなり上がる
という結果が出たそうです。
さらに、その効果はトレーニングを続けるほど増大することも同じ実験でわかっています。
また、別の実験ですが、短期的な記憶力アップ効果は運動の直後にも出るそうです。
その実験では、記憶テストの直前に運動をしたグループの成績が向上したとの結果が出たと説明されています。
つまり、暗記系の勉強に関しては、その直前に運動したり、あるいは運動しながらすることで効果を上げられるそうです。
記憶力アップに効果的な運動メニュー
メニュー
・勉強前にウォーキングや軽いランニング
・持久力トレーニングと筋力トレーニングを行う
ポイント
①記憶の種類により運動の効果が異なる
記憶には複数の種類があり、筋力トレーニングがより効果的なものがあるため、持久力と筋力の両方を鍛えることがより良い。
②軽負荷の運動でOK
マラソンの様にきつい運動をする必要はなく、ウォーキングでも十分な効果が得られる。
③継続により効果増大
一回の運動でも効果が出るが、継続することでそれだけ単語の暗記が強くなるなどのことがわかっているので継続が大切。
ブログ記事出典
出典は「運動脳 アンデシュ・ハンセン著」です。
著者はスウェーデンの名門医科大学を卒業後にストックホルム商科大学でMBAを取得した精神科医です。
この本で主張されていることは、まさに脳を鍛えるには運動をしようということです。
そしてその根拠として、脳科学についての数多くの論文や最新の研究を等々を引用しています。
おすすめの本なので良ければご覧ください。
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