勉強に集中できない子に、親が無意識にやってしまう“NG行動”とは?
「机には向かっているのに、全然集中していないようで……」
中高生の保護者の方から、このような相談を受けることは少なくありません。塾での面談でも、「集中力がない」「すぐにスマホに手が伸びてしまう」「何度言ってもダラダラしてしまう」といった悩みが繰り返されます。
しかし、こうしたケースの多くに共通するのが、親御さんの“善意”の行動が、かえって子どもの集中力を妨げているという事実です。
今回は、勉強に集中できない子の背景にある「家庭での関わり方」の問題点を整理し、親が避けるべき“逆効果な行動”と、代わりにできる“本当に効果的なサポート方法”について詳しく解説します。
1. 「今すぐやりなさい!」と焦らせる
よくあるのが、「宿題やったの?」「そろそろ勉強始めなさい!」という声かけです。たしかに正論ですが、これは“やらされ感”を強く生み、自発的な集中力を奪う原因になります。
勉強は、自分で「やろう」と決めたときに最も集中できるもの。急かされると、その決定権を奪われたと感じ、反発心や無気力を生むのです。
代わりにこんな声かけを: 「今日は何時から始めるつもり?」と“計画”を尋ねることで、子どもが自分でスケジュールを立てる力を育てます。
2. 「集中しなさい」と言ってしまう
「集中しなさい」という言葉も、よく聞かれます。しかし、これはまるで「早く眠りなさい」と言っているのと同じで、意志でコントロールできるものではありません。
集中できない状態には、原因があります。疲れている、空腹、ストレス、環境がうるさいなど、その根本に目を向けることが大切です。
代わりにこんな行動を: ・おやつや軽食で血糖値を安定させる ・5分だけリラックスの時間をつくる ・勉強の環境を整える(静かな場所、スマホを離す)
3. スマホを取り上げる、禁止する
「スマホが悪い」と決めつけて、取り上げるご家庭も多く見受けられます。しかし、これは一時的に効果があっても、長期的には逆効果になることがあります。
なぜなら、“奪われた”という感情が、勉強への集中どころか、親への不信感や対抗心に変わってしまうからです。
おすすめは“スマホとの距離感”を一緒に考えること。
「勉強するときはリビングに置く」「休憩中だけ使ってOK」など、ルールを親子で合意形成することで、納得感のある習慣に変わります。
4. 結果ばかりを気にする
「この前のテスト、なんであんな点数だったの?」「次こそは80点以上取りなさいよ」
こんな言葉も、集中力を妨げる原因になります。
子どもは、「怒られるかも」「失敗したらどうしよう」といった不安でいっぱいになり、本来持っている思考力や集中力を発揮できなくなってしまいます。
注目すべきは“行動”と“変化”です。
・昨日よりも机に向かう時間が増えた ・計画を立てて動こうとしていた ・苦手な科目に取り組んでいた
こうしたプロセスに目を向け、声をかけてあげることが、集中力を育てる土壌になります。
5. 勉強時間に“口出ししすぎる”
「1日2時間は勉強しなきゃダメ」 「こんな短時間で終わるわけないでしょ」
このように、“勉強時間”にフォーカスした口出しも要注意です。
本質的に重要なのは、「どれだけ集中して、質の高い時間を過ごせたか」。時間の長さよりも、濃度が重要なのです。
提案したいのは、“タイマー学習法”の活用。
25分集中+5分休憩の「ポモドーロ・テクニック」などを取り入れ、自分のペースでリズムを作ることが、結果的に集中力を育てます。
「集中できる環境」を整える学習塾として
当塾では、ただ“教える”だけでなく、集中力を育てる仕組みづくりに力を入れています。
- 一人ひとりに合った学習空間の提案
- 自学自習の習慣化を支援
- 行動ベースのフィードバック
- 親御さんとの連携による家庭環境改善
「うちの子、集中力がない」と感じたら、それは“能力”ではなく“環境と関わり方”の問題かもしれません。
お子さまの本来の力を引き出すために、まずは私たちにご相談ください。